コラム

家庭で実現させるミニマリストのためのインテリア

2025.11.26

“家族の距離は家具で変わる”から見えた

心がほどける“ちょうどいい暮らし”のつくり方

はじめに

気づけば話題に上がる「ミニマリスト」。

SNSでも、雑誌でも、動画でも

“持たない暮らし”はひとつの理想のように語られています。

収納は必要最低限、

家具も少なく、

テーブルは折りたたみ、

ソファも置かない。

たしかに、

すっきり見えるし、掃除は楽になります。

視線が散らないから

気持ちのノイズも少なくなる。

でも、

“ものが少ない=正解”

なのでしょうか?

私は、

家具を見る仕事を続ける中で、

ひとつの疑問が残りました。

家具って、本当に「少ないほうがいい」だけ?

そう思うきっかけは、

たくさんの家庭で起きていた

ある変化でした。

それは、

家具を変えたら

家族の距離が変わった

という事実。

 家族の距離は、家具で変わる

家具はただの「モノ」ではありません。

リビングに置かれたソファは

座るための道具であると同時に、

✔ 家族が並んで座る距離

✔ 同じテレビを見る時間

✔ 話すきっかけ

その全てを生み出します。

ダイニングは

ご飯を食べるためだけの場所じゃありません。

✔ 今日どうだった?

✔ 明日どうしようか?

✔ それっていいね!

そんな会話が

自然に生まれる場所。

家具が担う役割は

“くつろぎ”だけではなく

“距離”や“関係”まで変えてくれる。

そう考えると

ただ「少なければ良い」という考えが

少し揺らいでくる気がしませんか?

 ミニマリストの本質は「持たない」ではない

ミニマリスト的な暮らしは

本来

「自分にとって本当に大切なものを残す」

という思想のはず。

なのに、

いつの間にか

“持たないほうが良い”

にすり替わってしまった。

でも本当は逆。

理由のある家具だけを持つ

この考えこそがミニマルの真髄です。

✔ なぜその椅子を置くのか

✔ それが暮らしをどう支えてくれるのか

✔ それは家族に、どんな時間を作ってくれるのか

それを考えて選ぶ家具は

間違いなく「持つべき家具」。

その家具は、

暮らしの良い相棒です。

 減らしすぎの先にある“静かさ”と“さみしさ”

家具を極限まで減らした家は

一見、洗練されて見えます。

床に何もないと

正直、気持ちいい。

だけど

そこに住み続けると

ちょっと違う感情が出てきます。

・腰を痛める

・帰っても落ち着かない

・いつの間にか外にいる時間が増えた

・家族がそれぞれの部屋で過ごすようになった

ものがなくなると

問題がなくなるどころか、

人の行動や関係まで薄くなる

ことがあるんです。

ミニマル=快適

ではありません。

ミニマル=正解

でもありません。

ミニマル=選択

です。

 実例①

ソファを戻したら、家族が戻ってきた

家族4人、

2LDK。

リビングを広くしたいと

ソファを手放しました。

はじめは「すっきりして最高」

そう思ったそうです。

でも2週間ほどで

違和感が出てきました。

✔ 誰もリビングに座らない

✔ 床に座ると足が痺れる

✔ テレビはゆっくり見れない

✔ 気づくと各自の部屋へ

「不便だけど…まあいっか」

という気持ちのまま

数ヶ月が過ぎました。

ある日、来客のために

急遽コンパクトソファを購入。

すると――

自然と

家族がリビングに滞在しはじめました。

ソファはただの家具じゃなく

人が居やすい理由を作る“場所”

だったことに気づいた瞬間。

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・圧迫感がない

・リビングに置きやすい

・動かせる

→ 家族が集まる場所が生まれる

 実例②

テーブルを戻したら、自炊が復活した

ミニマリスト志向の方。

食卓を手放し

テーブルのない生活へ。

結果どうなったか――

✔ 食事は床

✔ 姿勢が悪くなる

✔ 腰が痛い

✔ 外食が増える

✔ 食費が上がる

テーブルがないと

「なんとなく落ち着かない」

「並べにくい」

「ゆっくり食べられない」

いろんな要素で

生活が乱れていきました。

その結果

テーブルを戻したら生活が整った

家具は

ただの物体じゃなく

行動をデザインするもの

なんです。

▼おすすめ

IKEA「LISABO(リーサボー)」

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・コンパクト

・木の温かみ

→ “食べる時間”が整う

 実例③

小さなサイドテーブルが作る「自分の時間」

ベッドの横に

小さなテーブルを置いただけで

夜の時間が変わったという話。

✔ コップが置ける

✔ 本が置ける

✔ スマホ充電しやすい

✔ 就寝前の時間が豊かになる

ただの小さな家具なのに

“夜がやさしくなる”。

これを

ただの家具と呼べるでしょうか?

▼おすすめ

カリモク家具

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 実例④

収納を増やしたら、部屋が片づくようになった

ミニマリストの多くが誤解しているのが

「収納を減らすと片付く」

→ 実際は逆

「収納がないと片づかない」

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・深すぎない

・木の質感

→ 定位置ができて散らからない

 ホテルの家具哲学 10選

「多くないのに、満ちている理由」

ホテルの部屋に入ると

不思議と落ち着きますよね。

あれは

“家具の置き方”に理由があります。

1)座る場所が2つ以上ある

2)照明は複数

3)テーブルが部屋の中心

4)ベッドの脇に置く余白

5)景色の方向を向いたイス

6)隠す収納

7)置く物には意味

8)手の届くところに便利

9)足元スッキリ

10)「長居したくなる温度」

ホテルは

「心地よさのデザインの集大成」。

ミニマルなのに

寂しくないのは、

役割のある家具があるから

 家具は“会話のきっかけ”を作る

一緒に暮らしていても

ただ同じ家にいるだけでは

会話は生まれません。

家具は

「一緒にいる理由」を作る。

ソファに座ったら

隣に座る。

テーブルがあれば

向かい合う。

照明を落とすと

声がやさしくなる。

家具は

空間を整える道具であると同時に

関係を整える道具でもあるんです。

 “ちょうどいい”家具の選び方

① 動線を邪魔しない

② 役割が明確

③ 触れたくなる素材

④ メンテしやすい

⑤ 家族みんなが使える

家具は

価格じゃなく

使われ方で価値が決まる

 ミニマリスト“失敗例”の共通点

・「少なさ」が目的になっている

・理由が曖昧

・作業場所がない

・居場所がない

・家族が集まらない

 ミニマリスト“成功例”の共通点

・暮らしに理由がある

・家具が役割を持つ

・動線がシンプル

・片付けが自然

 必要最小限ではなく

人生最適化

家具は増やしても

減らしてもいい。

大事なのは

今の自分の暮らしに合っているか

今の仕事

今の家族

今の趣味

今の生活リズム

それらに合わせて

家具は変わるべき。

家具は

暮らしを支える道具だから

人生に合わせて

アップデートしていい。

 結論

ミニマルは“数”ではなく“理由”

・なぜ置くのか

・誰が使うのか

・いつ使うのか

・どんな時間を作るのか

理由がある家具は

「正解」。

理由がない家具は

「見直し」。

たったそれだけ。

少ないことを誇る必要も

多いことを恥じる必要もない。

あなたの暮らしを

あなたが気持ちよく過ごせることが

いちばんの答え。

家具のおかげで

家族が集まり

対話が生まれ

心がほどけるなら

それは

最高のミニマルです。

インテリアのご依頼・ご相談は、

株式会社スピカにお任せください。

インテリアコーディネートの依頼ならスピカへ (spica-interior.com)

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