コラム

在宅ワークがはかどるデスク周りの整え方─集中と快適を生む空間の作り方

2025.09.05

はじめに

コロナ禍を経て在宅ワークがすっかり定着した今、自宅の「ワークスペース」の重要性はますます高まっています。ただ椅子と机を置くだけでは、集中も生産性も高まりません。

在宅ワークには、オフィスとは異なる課題があります。空間の狭さ、生活感との同居、オンとオフの切り替え、腰や目の疲れ、家族との時間など─そのすべてに応えるためには、「デスク周りの整え方」が大切です。

この記事では、快適で集中できる自宅のワークスペースづくりをテーマに、環境整備のポイント、実際に取り入れたい家具・アイテム、心理的な快適さまで徹底解説。今日から実践できるコツが満載です。

デスク環境が生産性を決める理由とは?

仕事の効率、クオリティ、体調、気分─そのすべてに大きな影響を与えるのが「作業環境」です。集中できない、すぐ疲れる、長時間の作業がつらい…それは「やる気の問題」ではなく、環境の問題かもしれません。

 自宅はオフィスよりも環境が不利

• オフィス:設計や照明が集中に最適化されている

• 自宅:生活空間との併用、狭さ、収納の少なさ、視線の乱れ、音の問題

このように、自宅は「働く」ことに特化していない環境であり、それを仕事がはかどる場に変える工夫が不可欠です。

【1】まず考えるべきは“場所”の選び方

 最も大事なのは「集中を妨げない場所」を選ぶこと

家の中で一番良い椅子を用意しても、場所選びを間違えると効果は半減します。

以下のような基準で選びましょう。

• 人の出入りが少ない場所(玄関やリビングの中央はNG)

• 生活音から距離を取れる(洗濯機・テレビ・電子レンジの近くは避ける)

• できれば「背後が壁」「窓に面している」位置が理想

• 日中は自然光が入る、夜はタスクライトで補える場所

ワンルームや家族同居の場合は、パーテーションや観葉植物、カラーボックスなどで視線を遮る工夫も有効です。

2】デスクの選び方と配置のコツ

 サイズは「作業内容」に合わせて決める

• ノートPC+資料程度なら、幅90〜120cm×奥行45〜60cm

• モニター2台、タブレット、資料広げるなら、幅140cm以上推奨

引き出し付きよりも、フラットで広めの天板が使いやすい

木製のナチュラルカラーや白系は圧迫感が少なく、空間になじみます。

 配置は“壁向き”か“窓向き”がおすすめ

• 壁向き:集中しやすい。装飾少なめで思考がクリアに

• 窓向き:開放感あり。昼間の自然光が心身のリズムに好影響

配置の注意点:

• 背後に人の気配があると集中力が落ちるので、背中を部屋の中央に向けない

• 照明の位置にも配慮(モニターに光が映り込まないように)

3】椅子選びは“投資”と割り切って良い

 椅子は「疲れにくさ」が最重要

長時間の座り作業は、腰・肩・首へのダメージが蓄積します。

そこで重要なのが、自分に合ったチェアを選ぶこと。

おすすめのポイント

• 背中をしっかり支える背もたれ(ハイバック推奨)

• 座面の高さ調整と前後スライド

• 腰を支えるランバーサポート

• 通気性が良いメッシュ素材

• 座面クッションは硬すぎず柔らかすぎず

価格は高くても「良い椅子=自分の健康保険」と捉えましょう。

人気の在宅チェア例

• コクヨ「ing(イング)」:360度動く“座りながら運動”する椅子

🔻https://workstyle.kokuyo.co.jp/shop/c/c1111/?srsltid=AfmBOoo70n_Jn5tGfQluIO9JEh06ZkE9yhGh2JV4xTJDOHH21DjRLh9X

• オカムラ「シルフィー」:中〜長時間作業向きの快適設計

🔻https://product.okamura.co.jp/ext/DispCate.do?volumeName=00001&lv3=シルフィー

• ニトリ・無印のシンプルチェア:短時間向けには十分

4】作業効率を上げる“周辺アイテム”の整え方

 モニターとスタンド

ノートPCだけでは姿勢が悪くなり、眼精疲労も進行します。

23〜27インチ程度の外部モニター+スタンドがあると効率が激変。

• 目線の高さにモニター上部を合わせる

• モニターは正面に、距離は40〜70cmが理想

 キーボード・マウス

• Bluetooth接続の薄型・静音タイプが便利

• リストレスト(手首置き)を併用すると疲れにくい

 デスクライト

• 明るさ:750〜1500ルーメン

• 光の色:昼白色または温白色(青白すぎない光が目に優しい)

• 昼は自然光+夜はタスクライトで調整するのが理想

5】収納と配線の整頓で「空間ストレスゼロ」へ

 必要最低限の収納で、必要なものだけが手元にある状態に

• デスク下にキャスター付きワゴン(文具・書類・ガジェット収納)

• ファイルボックスで紙類を種類別に

• 生活感の出るものはバスケットやフタ付きボックスへ

 配線の処理は超重要

• ケーブルホルダー・スパイラルチューブを使う

• USB充電器はタップ一体型のスマートタイプに

• モニター裏に“ごちゃごちゃ配線”を作らない

配線の乱れは視覚的ストレスになるだけでなく、ホコリ・熱・安全性の面でも問題に。

6】集中力を高める“空間演出”のアイデア

 観葉植物

• 空気清浄効果+視覚的リラックス効果あり

• サンスベリア、ポトス、モンステラなどが初心者向き

• グリーンがあると気分転換の頻度が減るとの調査も

 アート・ポスター・写真

• 自分の好きなものを1点だけ置くと集中力が高まる

• シンプルで落ち着いた配色が◎

• 推奨:抽象画、風景写真、モノトーン系のポスター

 アロマ・香り

• ラベンダー:リラックス

• ローズマリー・レモン:集中力UP

• 火を使わないディフューザーやサシェが安全でおすすめ

7】オンオフの切り替えを“空間で演出”する工夫

在宅ワークで最も難しいのが「オンとオフの境界」です。

気づけば仕事がダラダラ、もしくは家事に気を取られ集中できない──それを防ぐためには「空間で区切る」ことが有効です。

• 朝はカーテンを開け、デスクライトをつけて“仕事モード”に

• 仕事終わりには机を拭いて、照明を落とす“終業儀式”を

• できればPCを片付ける、椅子を違う方向に向けるなど、物理的な切替も

また、パソコンを入れる専用バッグやケースを使うと、「仕事をしまう」動作が生まれ、気持ちの切替に効果的です。

まとめ

デスク周りを整えれば、在宅ワークはもっと快適になる

在宅ワークでは「意志」よりも「環境」が成果を左右します。

デスクの位置、椅子の選び方、照明、収納、香り─すべてが快適であることが、日々のストレスを減らし、仕事のクオリティを高めてくれるのです。

今日からすぐできる一歩としては、

• モニターの位置を調整する

• ケーブルをまとめる

• デスクの上を一度リセットする

• 観葉植物をひとつ取り入れる

こんな些細なことでも、体感は大きく変わります。

「自分の集中できる空間」を作ることは、自己肯定感を高めることにもつながります。

仕事を快適にするのは、あなた自身の環境整備から。

少しずつ整えて、最高の“マイルームオフィス”を育ててみませんか?


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