コラム

快適なオフィスのインテリアとは?働く人を支える空間づくりの極意

2025.09.22

はじめに

働き方改革、リモートワークの定着、ウェルビーイングの重視…。これまでのオフィスに求められる役割は大きく変化し、もはや「働くための場所」というだけではなくなっています。

オフィスとは、チームの創造性を育て、社員一人ひとりのパフォーマンスを最大化する「空間戦略の要」です。そこで注目されているのが、「快適なオフィスインテリア」の重要性です。

本記事では、オフィスの快適性を高めるインテリアの考え方、導入事例、具体的な家具・アイテム、そして導入時のポイントまで、詳しく解説していきます。

なぜ今、オフィスの「快適性」が重視されているのか

これまでのオフィスは、「効率化」「画一性」「業務に適した機能性」ばかりが重視されてきました。しかし、近年はその潮流に大きな変化が起きています。

 1. 働き方の多様化と個人重視の流れ

フレックスタイムやテレワーク、副業解禁などにより、社員一人ひとりが自分らしい働き方を選べるようになっています。その中で、「働く空間」もまた選ばれる対象となりつつあるのです。自分の能力が最も発揮できる環境=快適なインテリア空間が求められています。

 2. ウェルビーイング(Well-being)への関心の高まり

快適な空間は、メンタルヘルスにも良い影響を与えます。オフィス内の温熱環境、音環境、視覚的快適さ、座り心地や照明は、すべて社員の幸福度や集中力に直結します。企業価値向上の一環として、快適性の高いインテリア設計が進んでいます。

 3. オフィスの「目的」が変わってきている

出社率が下がる一方、企業によっては「リアルな空間でこそ得られるコミュニケーションの質」を重視しています。そのため、単なる作業場ではなく「集う」「つながる」「創造する」場所としての価値を高めるデザインが必要とされているのです。

快適なオフィスインテリアをつくる5つの要素

では、どのようにすれば「快適なオフィス空間」はつくれるのでしょうか?以下の5つの観点から、それぞれの工夫と導入事例を紹介します。

1. 家具の選定:人間工学+デザイン性の両立

快適性を語るうえで、家具は欠かせません。特に重要なのが「椅子」と「デスク」です。長時間座る仕事では、体への負担を減らす設計が重要です。

高機能チェア(例:エルゴヒューマン、オカムラのシルフィーなど)

 背中を包み込むようなサポート設計や、通気性の良いメッシュ素材が人気です。

昇降式デスク(例:コクヨのSEQUENCEシリーズ)

 立ち作業と座り作業を自由に切り替えることで、身体的なストレスや眠気の解消につながります。

カフェ風のローカウンターやベンチ

 従来のデスクとは異なり、あえてカジュアルな空間を取り入れることで、気分転換や偶発的なコミュニケーションが生まれやすくなります。

2. 色彩設計:集中・安心・創造性を支えるカラーデザイン

色の使い方は、空間の印象や心理的な効果に大きく影響します。

ブルー系やグリーン系:集中力を高め、リラックス効果があるため、執務エリアに適しています。

オレンジやイエロー:会議室やブレストエリアに配置することで、発想を活性化しやすくなります。

グレージュや木目調:穏やかな空気感を生み、全体に落ち着きと統一感を持たせられます。

インテリアカラーの配色は、CI(コーポレートアイデンティティ)と統一させることで、企業のブランディングにもつながります。

3. 照明と音環境:見やすく・聞きやすく・落ち着ける設計

快適なオフィス空間は、視覚・聴覚のストレスを最小限に抑える工夫が重要です。

照明

 タスクライト(手元用照明)と全体照明を併用し、シーンに応じて調整可能にすることが理想。昼白色のLEDで文字が読みやすく、また間接照明でリラックス感を演出するのも有効です。

音環境

 遮音パネル付きブースやカーペット素材の採用で反響を抑え、集中できる静かな環境を確保。逆に、カフェスペースではBGMを流してメリハリをつけることも快適性向上につながります。

4. レイアウトと動線設計:多様な働き方に応える空間構成

現代のオフィスでは、社員全員が同じ席に座り続けることは少なくなっています。そこで必要なのが「アクティビティ・ベースド・ワーキング(ABW)」に対応したレイアウトです。

フリーアドレス対応エリア:作業ごとに最適な席を選べる自由な配置。

集中ブース/個室スペース:Web会議や集中作業に適した閉じた空間。

コラボレーションゾーン:柔らかいソファや可動式ホワイトボードがある、対話型の空間。

このように、「働く行動に合わせて空間を選ぶ」という視点で設計されたオフィスは、社員の満足度や生産性を大きく高めます。

5. グリーンとアート:五感に働きかける“余白”の演出

快適なオフィス空間に必要なのは、家具や機能性だけではありません。「感性」に訴えかける要素も大切です。

観葉植物・グリーンウォール:視覚的な癒やしと空気の清浄効果で、オフィス全体がリラックスした雰囲気に。

アートパネル・写真・オブジェ:企業理念やチームの個性を表現し、働く人の誇りや愛着を育む役割も。

「働くための余白」を用意することで、職場はより“居場所”としての価値を高めていきます。

実例紹介:快適性を追求した注目のオフィスデザイン

以下は、快適なインテリアによって評価を得ている実際のオフィスデザインの例です(※社名は非公開、内容は事実に基づいた構成です)。

IT系スタートアップ企業(東京都)

 昇降式デスクを全面導入し、会議室にもソファとローテーブルを設置。ガラスパーテーションで開放感を保ちながら、エリアごとの機能を明確化。

メーカー系本社ビル(名古屋市)

 木目調を基調にした内装に加え、すべての執務席にパーソナル照明とUSBポートを設置。観葉植物を豊富に配置し、社員のストレスを軽減。

ベンチャー支援施設(福岡市)

 カフェスペースとシェアラウンジを併設し、仕事と交流のバランスを重視。家具はすべて国内ブランドのセミオーダー品で統一感を演出。

導入時に気をつけたいポイント

快適なインテリアを導入する際には、以下のような点に注意すると失敗がありません。

• 使う人の“実際の声”を反映させる(ヒアリングが重要)

• デザイン性とメンテナンス性の両立(汚れやすい素材に注意)

• 短期視点ではなく、5年・10年先を見据えた計画を立てる

• ファシリティマネジメントとインテリア担当が連携すること

まとめ

快適なオフィスは、人と企業の可能性を広げる

「快適なオフィスインテリア」は、単なる空間設計にとどまりません。

それは、働く人の集中力・創造力・人間関係・健康、そして企業の価値そのものに直結する、戦略的な投資です。

高価な家具を入れることよりも、“誰がどう使うか”を丁寧に考えることが、真の快適性を生み出します。

これからオフィスづくりを考えるすべての方へ、インテリアの視点から「働きやすさの本質」を見直してみてはいかがでしょうか。

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