コラム

心からくつろげる部屋づくり

2025.06.25

はじめに

リラックスできる空間のつくり方

忙しい毎日を送る私たちにとって、自宅は単なる「住まい」ではなく、心と体を癒す「リラックスの場」であるべきです。けれど、いざ自分の部屋を見渡してみると、何か落ち着かない、ゆったりできない…そんな悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。

この記事では、インテリアや照明、香り、音、片づけなど、五感に働きかけるリラックス空間の作り方を、科学的根拠と実例を交えながら詳しく解説します。誰でも今日から実践できる「くつろぎの空間術」で、ストレスから解放される毎日を手に入れましょう。

1. 「リラックス空間」とは何か?

まず、「リラックスできる空間」とはどのような状態を指すのでしょうか?

リラックスとは、心理学的には「交感神経が鎮まり、副交感神経が優位になる状態」を意味します。つまり、心拍数が穏やかになり、筋肉が弛緩し、安心感や幸福感が得られる状態です。このような状態を引き出すには、空間の視覚・聴覚・嗅覚・触覚・温度といった要素にアプローチする必要があります。

2. 視覚から整える:落ち着いた色と整理整頓

色の心理効果を活かす

色には人間の心理に働きかける力があります。リラックス空間にふさわしいのは以下のような色調です。

ブルー系:副交感神経を活性化させる色。海や空を連想させ、冷静で落ち着いた気分に。

グリーン系:自然を感じさせ、ストレス軽減に効果があるとされる。

ベージュ・アイボリー系:柔らかく穏やかな印象を与える中立色。木の素材とも相性がよく、温かみもある。

くすみカラー(ダスティカラー):彩度の低い色味は視覚の刺激が少なく、目に優しい。

白をベースに、ブルーやグリーン、ウッド系をアクセントに加えるのが定番の組み合わせです。

散らかりはリラックスの敵

心理学の研究では、散らかった空間にいるとストレスホルモン(コルチゾール)が上昇するというデータもあります。つまり、整っていない部屋=無意識のストレス源になるということ。

• 物の定位置を決める

• ワンアクションで出し入れできる収納を選ぶ

• 「使う」「使わない」で物を分類し、定期的に見直す

これだけで、心の余白と空間の余白が両立できるようになります。

3. 照明でつくる「柔らかな安心感」

光の強さと色温度に注目

照明は空間の雰囲気を大きく左右します。強すぎる光は交感神経を刺激し、リラックスには逆効果です。

• おすすめの明るさ:200~400ルーメン程度(寝室やリビングの間接照明として)

• 色温度は2700K前後の「電球色」がベスト

天井のシーリングライト1灯だけで済ませず、複数のライトで柔らかく空間を包みましょう。

間接照明がつくる「包まれる安心感」

• フロアランプやスタンドライトを使い、光源を壁や天井に向けて反射させる

• LEDキャンドルやランタンを活用し、揺らぎのある光で副交感神経を刺激

• 調光機能付き照明で時間帯や気分に合わせて調整可能にする

特に、夜は明るすぎない照明に切り替えることで、脳が「休息の時間だ」と判断しやすくなります。

4. 香りで脳を癒す:アロマと空気の工夫

嗅覚は人間の本能的な感覚であり、リラックスに直結しています。自宅に帰ってきてふわっと好みの香りが広がっているだけで、安心感や幸福感を得ることができます。

リラックス効果がある香り例

ラベンダー:安眠効果で有名。自律神経を整える働き。

ベルガモット:柑橘系だが刺激が少なく、心の緊張をほぐす。

サンダルウッド:深いウッディ系。心を落ち着かせ、瞑想に最適。

ゼラニウム:甘く華やかで女性ホルモンを整える効果も。

香りの取り入れ方

• ディフューザーやアロマキャンドル

• スプレーで枕やカーテンに吹きかける

• お香やルームフレグランス

香りの強さは「ほんのり香る」程度に抑えること。強すぎると逆に頭が痛くなることもあるため、調整は慎重に。

5. 音が空間の心地よさを左右する

音もまた、私たちの神経系に大きな影響を与えます。特に、都市部の騒音やテレビのつけっぱなしは無意識のストレスにつながります。

心を落ち着ける音とは?

• 自然音:川のせせらぎ、雨音、鳥のさえずり

• クラシック音楽やヒーリングミュージック:テンポがゆっくりで、リズムが一定のもの

• ホワイトノイズやピンクノイズ:一定の周波数の音は集中力や睡眠をサポート

最近はYouTubeやSpotifyで「睡眠音」「ヒーリング音楽」と検索すれば、無料で高品質な音源がたくさん見つかります。

スピーカー選びも大事

• Bluetoothスピーカーをベッドサイドやテーブルに配置

• 空間に自然に溶け込むデザインのものを選ぶと視覚的なノイズになりにくい

無音状態が苦手な人でも、BGMとして自然音を流すだけで精神的に安定しやすくなります。

6. 触覚・体感を整える:素材と温度

素材選びで快適性が変わる

肌に直接触れる布類や家具の素材も、リラックスには非常に大切です。

• コットンやリネン素材のカーテンやベッドリネン:通気性がよく肌触りが優しい

• ウールやフランネルのブランケット:秋冬のぬくもりに最適

• 木製の家具やラタン素材:ナチュラルなぬくもりが安心感を生む

天然素材のものは静電気が発生しにくく、肌にも優しいため、長時間過ごす空間に向いています。

温度と湿度の調整

リラックス空間には、「快適な体感温度」が不可欠です。

室温:20~25度、湿度:40~60%が目安

• 加湿器や除湿器を活用して調整

• サーキュレーターで空気を循環させる

特に寝室やリビングなど、長く過ごす場所は温湿度をモニターで確認しながら調整するのが理想的です。

7. 実例紹介

ワンルームでも「癒しの空間」に変えた女性の話

30代女性Aさんは、都内の8畳ワンルームに住む会社員。以前は仕事のストレスで不眠に悩んでいましたが、部屋の環境を見直すことで劇的に変化しました。

Aさんの工夫ポイント

• ベッドの上に電球色のスタンドライトを設置

• ラベンダーのアロマを寝る前に焚く

• 壁をペールブルーに塗り替え、観葉植物を設置

• フロアマットやクッションに肌触りの良いリネン素材を選択

• 音楽アプリで「自然音プレイリスト」を就寝時に再生

こうした小さな工夫を重ねた結果、「夜が楽しみになり、睡眠の質も上がった」と語っています。

まとめ

リラックス空間は五感で整える

リラックスできる空間づくりは、インテリアのセンスよりも「五感を整えること」がポイントです。

視覚:色や照明で落ち着いた雰囲気を演出

嗅覚:好みの香りでリラックス状態を促進

聴覚:静けさや自然音で心を穏やかに

触覚:快適な素材と温度管理

整理整頓:散らかりをなくし、空間と心に余白をつくる

こうした一つ一つの工夫が積み重なって、本当の意味で「くつろげる空間」が生まれます。毎日の疲れを癒し、自分を取り戻せる場所。それこそが、自宅が持つ最大の価値です。


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