コラム

賃貸物件でもできるホテルライクな部屋づくり

2025.07.07

はじめに

制約の中で叶える上質空間

「高級ホテルのような洗練されたインテリアに憧れるけれど、今住んでいるのは賃貸だから自由にできない…」そう感じている方は少なくありません。

賃貸住宅では「壁に穴を開けられない」「床材を替えられない」「原状回復が必要」など、多くの制約があるのが現実です。しかし、実はこれらの制限の中でも、工夫次第でホテルライクな空間をつくることは十分可能です。

むしろ限られた条件の中で「整える力」と「選ぶ力」を発揮することが、センスのよさを引き出すポイントにもなります。

本記事では、賃貸物件でも実現できるホテルライクなインテリアの具体的な方法を、香り・照明・テキスタイル・家具配置・収納・壁の装飾など、多方面から詳しく解説します。予算を抑えつつ、非日常感のある上質な暮らしを手に入れたい方はぜひ参考にしてください。

1. 香りは“空間の印象”を決める重要な要素

高級ホテルでは、ロビーに入った瞬間から洗練された香りが漂っています。これは「香りによるブランディング」であり、空間の印象に大きな影響を与えます。香りは五感の中でも最も記憶に残りやすく、空間全体を高級に感じさせる効果があります。

賃貸であっても香りの演出は簡単です。火を使わないアロマディフューザーやスプレー、スティックタイプの芳香剤を取り入れましょう。

● 賃貸におすすめの香りアイテム

無印良品:エッセンシャルオイル+超音波アロマディフューザー

サワデー香るスティック(ホワイトティー、ムスクなど)

Le Labo、The Hotel Scentなどのホテルリネン系の香り

特にホテルでよく使われている香りは「ホワイトティー」「サンダルウッド」「バニラムスク」など、清潔感と癒しを与える香調です。香りをうまく使えば、視覚以上に“ホテルらしさ”を演出できます。

2. 間接照明で雰囲気が激変:賃貸こそ照明にこだわる

賃貸住宅にありがちな天井の蛍光灯照明。そのまま使っていては、どうしても「生活感」が出てしまいます。

ホテルライクな空間を目指すなら、まずは照明の主役を間接照明に切り替えることが大切です。賃貸でも設置可能なフロアライトやテーブルランプ、壁に穴を開けずに使えるクリップ式ライトなどがおすすめです。

● 賃貸OKの照明アイデア

・IKEAやニトリのテーブルランプ

・LEDキャンドルライト(コンセント不要)

・間接照明用のUSBライトやテープライト(壁に粘着可能)

・天井照明に調光・調色タイプのLED電球を使う

電球色(2700K前後)の暖かみのある光に変えるだけで、部屋全体の雰囲気が一気に落ち着き、ホテルのような印象に変わります。光の“数”より“質”を意識しましょう。

3. ベッドとリネンで“主役”を整える

ホテルの客室で最も目を引くのが、整えられたベッドです。シーツ、カバー、枕が美しく並び、シンプルながらもラグジュアリーな印象を与えています。

賃貸物件の限られた空間でも、ベッドを部屋の主役にすることで、ホテルライクな空間が成立します。

● ホテル風ベッドづくりのポイント

・白いシーツと枕カバーで統一感を出す

・クッションを複数使い、高さを出す

・ベッドスロー(細長い布)を足元にかける

・スローケットで色のアクセントを加える

リネンは「白」「アイボリー」「グレー」「ネイビー」など、落ち着いたカラーを基調にまとめると清潔感と高級感が出ます。クッションを3~5個並べるだけで、一気に“ホテルのベッドらしさ”が増します。

4. 家具の高さと色をそろえて“統一感”を出す

ホテルのインテリアには、共通して「統一感」「低めの家具」「余白」があります。賃貸でも家具を買い換えずに、これらを意識するだけで印象を変えることができます。

● 賃貸でできる家具配置の工夫

・家具の高さを揃える(低めの家具で目線を下げる)

・色を3色以内に絞る(例:白×グレー×木目)

・壁から少し家具を離して“余白”を作る

・大型家具は壁側に寄せ、動線を広くとる

たとえば、無印良品やニトリなどの収納家具を使って高さを統一すると、それだけで「整った印象」になります。床にモノが少ない空間は、それだけで高級ホテルのように見えます。

5. 収納で“生活感”を徹底的に隠す

ホテルと賃貸物件の最大の違いは「生活感」です。リモコン、充電ケーブル、スキンケア用品、雑誌などが目に入ると、一気に“日常感”が出てしまいます。

ホテルライクな空間を作るためには、これらを“見せない収納”に切り替えることが大切です。

● 賃貸で使える隠す収納アイデア

・カゴやファブリックボックスにまとめて収納

・TVボードや棚には扉付きの収納を選ぶ

・ラタンボックス、布製バスケットで柔らかさを演出

・コード類はケーブルボックスに収納して一括管理

また、収納用品の「色と素材感」を統一すると、視覚的にすっきり見えます。例えば、白とナチュラルウッドで揃える、またはブラックとグレーでモノトーンにまとめるとホテル風に近づきます。

6. 壁は“貼って剥がせる”アイテムで変えられる

賃貸物件では壁を塗ったり穴を開けたりできないため、壁の装飾は難しいと思われがちです。しかし、今では「貼って剥がせる」アイテムが豊富にあり、賃貸でも気軽に壁の印象を変えられます。

● 賃貸で使える壁装飾アイテム

・ファブリックポスター(軽量でピン不要)

・ウォールステッカー(剥がせるタイプ)

・マスキングテープ+軽量フレームのアートポスター

・3COINSやIKEAの布ポスター、壁掛けオブジェ

特にファブリックポスターやモノトーンのアートを飾るだけで、部屋全体の“格”がワンランクアップします。ポイントは「余白を意識して飾ること」です。壁を埋めすぎないことで、洗練された印象になります。

7. 賃貸ホテルライク化の実例コーディネート

以下に、実際の賃貸1K~1LDKの部屋で可能なホテル風コーディネート例を紹介します。

■ カラースキーム例(3色以内)

・ホワイト×ベージュ×ナチュラルウッド

・グレー×ネイビー×ブラック

・アイボリー×チャコールグレー×ゴールド(金属小物)

■ 小物選びのポイント

・フレームは黒または木目で統一

・ガラス、陶器、金属など異素材ミックスで質感を出す

・ティッシュケースやゴミ箱もデザイン性のあるものを選ぶ

■ ラグジュアリー感を演出するアイテム

・ベロア素材のクッションカバー

・真鍮調のライトやハンドミラー

・ガラス製ディフューザーや陶器トレイ

少ない要素で「非日常」を感じさせる空間づくりが、ホテルライク化の本質です。

8. まとめ

制限こそ、工夫の余地

賃貸物件という制限があるからこそ、創意工夫が生きてくるのがホテルライクなインテリアです。

● 今日からできる賃貸ホテルライクの7か条

1. 香りで印象をコントロール

2. 間接照明で落ち着いた空間に

3. 白を基調にベッドを整える

4. 家具の色と高さを揃える

5. 生活感を収納で隠す

6. 壁は剥がせる装飾で楽しむ

7. 色数と余白を意識して“整える”

お金をかけずに、そして賃貸という環境を変えることなく、ホテルのような上質な空間はつくることができます。大切なのは、“少ないもの”で“整える”意識です。

あなたも今日から、毎日帰りたくなる、静かで落ち着いたホテルのような空間づくりを始めてみませんか?

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