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2013.02.19
小学生低学年のころから小説が大好きで、手あたり次第読み続けてきました。
40を超えた今もなお、家事の合間や仕事の移動中、寸暇を惜しんで読みふける日々。
生来(?)歪んだ性格だからか、ベストセラーや著名すぎる作家のものは好んでは読まないですが、
世間一般ではあまり人気ではないのに、何かの拍子に1冊読んでからというもの、
デビュー作に遡って全作品読んでしまうほど異常にはまってしまう作家さんがいるもので・・・。
今はこの人、奥田英朗。
コピーライター出身なだけあり文章表現はさすが。端的なのに豊か。
心理描写もくどくなく、なのにビシッと伝わってくる。そして、内容がすごい。
「最悪」「邪魔」「無理」の3部作は、タイトル通り、最悪で邪魔で無理なんです。
救いようがない、ゴールがない、出口がない、這い上がれない。
この現実を、赤裸々にリアルに、どこまでも日常的に描いているんだけれども、
なぜか後味が爽やかで、救いが滲んでるんです。不思議。
そして「イン・ザ・プール」「空中ブランコ」「町長選挙」は同一人物が書いたの?という奇想天外なお話。
とんでもないキャラの精神科医が活躍するコメディタッチの物語ですが…決してコメディではない。
深すぎるほど深い話を、鋭く、的確に描き、笑わしてくれながら人間の真髄を教えてくれる、
崇高な読み物です。まぁ、ただただ面白い!笑いが深い!
奥田さんって、ほんと不思議。
暗闇を知る人にしか生み出せない爽快感と笑いと強さに溢れた方だと、私は勝手に思ってます。
知人の間では賛否両論だけれど。内容的に、受け手によるんでしょうね。
ドラマ化とかしないかなぁ。それも難しそうだけれど。
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