コラム

垢抜けるためのインテリア術

2025.06.16

はじめに

暮らしを変える「洗練空間」のつくり方

部屋の印象は、その人自身の印象をも左右すると言われています。「部屋を見ればその人がわかる」という言葉の通り、住空間は無意識のうちに人柄やライフスタイルを映し出します。そこで今回は、誰でも今日から実践できる「垢抜けるためのインテリア術」を、具体的なテクニックとともに紹介します。

1. まずは「引き算」から始める

垢抜けたインテリアの第一歩は、実は「飾ること」ではなく「減らすこと」です。雑多なものが目につく空間では、どれだけ高価な家具やおしゃれなポスターを置いても、全体の印象は散らかって見えてしまいます。

■ 断捨離とゾーニングの重要性

まず行いたいのは、不要な物の整理と空間のゾーニング(用途の明確化)です。例えば、リビングに読み終えた雑誌や使っていないクッションが放置されていませんか? 使っていないアイテムは思い切って手放し、本当に必要なものだけを厳選しましょう。

また、空間を「くつろぐ場所」「食事する場所」「収納スペース」など目的別に分けることで、インテリアに統一感が生まれ、自然と洗練された印象になります。

2. 色のトーンを統一して「整った印象」に

部屋全体の「垢抜け感」を左右する最も大きな要素の一つが「色使い」です。派手な色を使わなくても、トーン(色調)を整えるだけで空間は見違えます。

■ ベースカラー・メインカラー・アクセントカラーの3色ルール

インテリアの配色で基本とされているのが「70:25:5」の法則です。

• ベースカラー(70%)

壁や床、天井など部屋全体を占める色。ホワイトやベージュ、グレージュなどの明るい中立色が基本。

• メインカラー(25%)

ソファやラグ、カーテンなど、空間の印象を決める大物家具の色。

• アクセントカラー(5%)

クッションやポスター、花など、差し色として使う小物の色。

この配色を意識することで、部屋にまとまりが生まれ、自然と「垢抜けた空間」に近づきます。

3. 「照明」で雰囲気を変える

照明は、部屋の印象を大きく左右する要素です。特に、ワンルームやコンパクトな部屋では、照明一つで空間の質感や奥行き感が変化します。

■ 白色光より「電球色」を選ぶ

オフィスのような蛍光灯(白色光)よりも、暖かみのある電球色(オレンジがかった光)を使うことで、部屋に柔らかさと居心地の良さが生まれます。調光機能付きのライトや間接照明を取り入れるのもおすすめです。

■ 複数の照明を組み合わせる

天井のシーリングライト一つに頼るのではなく、フロアランプやテーブルランプを加えることで、空間に「陰影」が生まれます。光と影のバランスが取れた部屋は、それだけで高級感を演出できます。

4. 「素材」で魅せる:質感の違いを楽しむ

インテリアの垢抜け感は、視覚的なデザインだけでなく「触感」や「質感」でも決まります。例えば、同じグレーカラーでも、スエードのクッションとリネンのカーテンでは印象が全く異なります。

■ 異素材ミックスで「奥行き感」を

木材、ガラス、金属、布、革など、異なる素材を組み合わせることで、空間にリズムと深みが生まれます。木の温もりとガラスの透明感、アイアンの無骨さなど、異なる個性をバランス良く配置することが垢抜けのコツです。

5. 壁を飾る:アートやミラーでワンランク上に

壁が殺風景なままだと、どこか生活感が抜けきれません。そこで取り入れたいのが「アート」と「ミラー」です。

■ 自分らしいアートポスターを飾る

有名アーティストの作品にこだわる必要はありません。自分の好きな写真やグラフィック、抽象画などをポスターにして額縁に入れるだけでも、十分に洗練された印象を演出できます。

■ ミラーで空間を広く見せる

姿見や壁掛けミラーを適切に配置することで、視覚的に空間が広がり、開放感のある垢抜けた部屋に変身します。光を反射する効果もあるため、自然光が入りにくい部屋にも有効です。

6. グリーンを取り入れて「余裕のある空間」に

観葉植物は、垢抜けたインテリアに欠かせない存在です。自然の緑が加わることで、部屋全体にやわらかさと清潔感が生まれます。

■ 初心者におすすめの植物

• ポトス

日陰にも強く、育てやすい。

• サンスベリア

空気清浄効果があり、耐陰性も高い。

• モンステラ

トロピカルで存在感があり、飾るだけで映える。

鉢もインテリアの一部として選び、部屋のカラーや素材と調和させることがポイントです。

7. 家具の「高さ」と「抜け感」を意識する

家具選びで意外と見落とされがちなのが「高さのバランス」です。背の高い家具ばかりが並ぶと、圧迫感が出てしまい、せっかくの空間が窮屈に感じられます。

■ ロータイプの家具で開放感を演出

特に日本の住宅の天井高は欧米に比べて低めです。ソファやベッドをロースタイルにすることで、視線が下がり、部屋全体が広く見えます。

■ 脚付き家具で「抜け感」をつくる

床にベタっと付いた家具よりも、脚付きで床が見える家具を選ぶことで、空間に「余白」が生まれ、すっきりと垢抜けた印象になります。

8. 香りにも気を配る:空間の「ムード」を完成させる

視覚や触覚に加えて、「嗅覚」もインテリアの重要な要素です。良い香りがする部屋は、それだけで洗練された印象を与えます。

■ ディフューザーやアロマキャンドルを活用

• リラックスしたい時

ラベンダー、カモミール

• 爽やかな印象を演出

ユーカリ、シトラス

• 高級感を出したい時

ウッド系、アンバー系

香りもインテリアの一部と考え、自分の部屋に合ったものを選びましょう。

まとめ

垢抜けインテリアは「意識と工夫」で誰でも実現できる

垢抜けた部屋を作るために、必ずしも高級家具やデザイナーズアイテムが必要なわけではありません。重要なのは「整理」「配色」「質感」「照明」「装飾」のバランスを意識すること。つまり、「物の価値」よりも「空間の使い方」にこそ洗練された印象を生む鍵があるのです。

どれも今日から実践できることばかりです。少しの工夫と視点の転換で、あなたの部屋もぐっと垢抜けた空間に変わるはずです。


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